比較してみた「おとなの週刊現代死後の手続きはこんなに大変です」vs「週刊朝日死後の手続き」

小川中法律事務所 書籍紹介

 2019年2月に週刊現代が「おとなの週刊現代死後の手続きはこんなに大変です」と題した死後手続にまつわるムックを発行し,その後数ヶ月遅れて週刊朝日がこれを後追いするような雑誌を発行しました。どちらも1000円程度する書籍です。1冊選ぶとしたらどちらでしょうか。
 
 結論から申し上げますと,「おとなの週刊現代」です。
 人が亡くなった時,何より揃えなければならないのが「書類」です。我が国において人の生死は,書面上,本籍地に備えられている戸籍で管理されていますから,本籍地に提出すべき死亡診断書を取得し,死亡届から始まる各種の届出書類,そして,相続人と亡くなった方との相続に関する書類を集め始めなければなりません。
 「週刊現代」は冒頭でまとめて書類の問題について集中的に書いています。分かりやすいと思います。表紙だけでもかなり工夫がされたタイトル構成です。まだ版が重ねられて書店に並んでいるようですので(2019年6月初旬現在),まずは表紙だけでもじっくり見られてはいかがでしょうか。


 他方,週刊朝日の方は,「死後の手続き」と題する割には,前半で遺言について記載するなどしています。遺言の準備は当然ですが生前の準備となりますから,「死後の手続」を詳しく知ろうとして読み出すと違和感が生じる章立てです。また,相続放棄についても触れていますが,相続放棄が必要な人(相続債務の方が多い)と,プランを立てて遺言相続の準備を意図される方の相続人(積極財産が多い)とは対象が被らないのが普通です。(余談ですが法律家の使う用語は「手続き」とは言わず「手続」と,送り仮名を付けません。)

 週刊朝日の方は書き込み式のチャートを準備するなど,週刊現代にない工夫も見られますが,記事内容は週刊現代の方が充実しています


弁護士 小川中
2019年6月9日
 

 

 

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